犯罪を抑止する要素に、領域性と監視性という性質があります。
領域性とは、犯罪者がその力を行使できない範囲を示すものです。
領域性は、犯罪を計画する者が対象へ接近するのを困難にして、犯罪を防ぎます。
歩道のガードレールや公園を囲むフェンスなどは、空間を区切ることで領域性を明示します。
駐車場の出入り口にチェーンを張ったり、住宅地の出入り口となる道路の幅を狭めたり段差(ハンプ)を作るのも、領域性の明示です。
領域性が高い場所は、犯罪者にとって入りにくい場所であり、犯罪を行うことにリスクを感じる場所です。
領域性は、地域住民や関係者が「なわばり意識」を持つことで強化されます。
なわばり意識とは、その領域に犯罪者を入れない、犯罪を起こさせないという意思のことです。
地域住民が定期的に防犯パトロールを行い防犯看板や民間交番を設置して、なわばり意識を示すことで犯罪者を近寄らせないようにします。
なわばり意識がはっきりした場所は、犯罪を計画する者にとって入りにくく、犯罪機会を捉えにくい場所になります。