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どこが安全? どこが危険?

地域安全マップ指導者養成プログラム

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領域性と監視性


犯罪を抑止する要素に、領域性と監視性という性質があります。

領域性とは、犯罪者がその力を行使できない範囲を示すものです。
領域性は、犯罪を計画する者が対象へ接近するのを困難にして、犯罪を防ぎます。
歩道のガードレールや公園を囲むフェンスなどは、空間を区切ることで領域性を明示します。
駐車場の出入り口にチェーンを張ったり、住宅地の出入り口となる道路の幅を狭めたり段差(ハンプ)を作るのも、領域性の明示です。

領域性が高い場所は、犯罪者にとって入りにくい場所であり、犯罪を行うことにリスクを感じる場所です。

領域性は、地域住民や関係者が「なわばり意識」を持つことで強化されます。
なわばり意識とは、その領域に犯罪者を入れない、犯罪を起こさせないという意思のことです。
地域住民が定期的に防犯パトロールを行い防犯看板や民間交番を設置して、なわばり意識を示すことで犯罪者を近寄らせないようにします。

なわばり意識がはっきりした場所は、犯罪を計画する者にとって入りにくく、犯罪機会を捉えにくい場所になります。

監視性とは、犯罪者の行動を見張るとともに、対象者の安全を見守る性質です。

監視性が高ければ犯罪行為を目撃される可能性が高くなります。
防犯カメラやセンサー照明を設置したり設備を透明にしたりすることで、監視性が高まります。
誰からも見えにくい場所であれば、犯行を目撃されるリスクも低く逃走も容易です。

領域性が高く入りにくい場所では、犯罪者が対象に接近することが難しくなります。監視性が高く見えやすい場所では、犯罪を実行しにくくなります。

犯罪機会論では、領域性と監視性を高めることで犯罪を抑止することができると考えます。

地域安全マップは、領域性と監視性の観点から地域を点検して、犯罪機会となりやすい危ない場所を見つけます。
「入りやすい」「見えにくい」というキーワードは、領域性と監視性を表します。

道路に接したフェンスの無い公園は、領域性が低く入りやすい公園です。
同じ公園でもフェンスや生垣で周囲を囲んで入口を限定すれば、領域性が高くなり入りにくい公園になります。

高い樹木に囲まれた公園は、監視性が低く見えにくい公園です。
樹木を剪定したり、見通しの良いフェンスに替えたりすることで監視性の高い見えやすい公園にすることができます。

ごみが不法に投棄されていたり、らくがきで施設が無秩序に埋め尽くされていたりするような場所で犯罪が起きるのは、その場所が管理されていないことが明らかで、人々の無関心を示しているからです。
そのような場所は監視性が低く、見えにくい場所です。たとえ犯行を目撃されても通報されないかもしれないと犯罪者は考えます。

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キーワード
#監視性#領域性