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「不審者」とは?


学校でも家庭でも子どもたちに対して、「不審者に気を付けろ」という防犯指導を行っています。果たしてこれは有効な指導でしょうか?

不審者とは、その場所や時間にふさわしくない人物のことです。

普段人がいない場所に長時間立っている人がいたら、「何かおかしい」と感じるかもしれません。しかしその人は野鳥を観察している人かも知れませんし、ひょっとしたら活動中の捜査員かも知れません。「何かおかしい」というだけでは、その人が犯罪を企図しているかどうかは分かりません。

むしろ犯罪を計画して実行機会を探している人は、できるだけ目立たないように気をつけます。周囲の人に不審に思われ、警戒されてしまうと、犯罪機会から遠ざかることになるからです。

防犯ポスターの例

防犯ポスターには、丸い口ひげ、頬かむり、唐草模様の風呂敷というパターンで泥棒が描かれますが、そのような姿をした泥棒がいないことは誰でも知っています。

不審者は、帽子をかぶり、マスクとサングラスで顔を隠す男性というパターンで描かれますが、犯罪を計画している人であれば、警戒感を呼び起こすような姿はしません。

ぼんやりと犯罪を考えている人や具体的な犯罪計画を立てている人を、外見から判断することはできません。

「不審者に気を付けろ」という子どもたちに対する指導は、有効とは言えません。

「知らない人には気を付けろ」という指導も同様で、知らない人=不審者という認識を子どもに持たせることになります。

逆に、少し会話を交わしただけで、子どもにとっては知っている人になってしまいます。多くの誘拐事件や連れ去り事件で、被害に遭った子どもたちは犯罪者にだまされて自ら従っています。「不審者に気を付けろ」「知らない人に気を付けろ」という指導では、高い防犯効果は望めません。

不審者への注意を強調することで、善意の声がけをする大人を不審者扱いしたり、言語や外見の特徴で人を差別することになりかねません。

子どもが大人に対して不信感を抱き、地域のコミュニティを分断することになってしまうと、防犯にとってはマイナスになってしまいます。

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