事前学習では、地域安全マップを作成する手順も説明し、発表会までのステップの確認も行います。地域安全マップづくりは、ふたつのキーワードで町を調査して、危険(安全)な場所や気を付ける場所を知ることが目的であることを再確認します。
過去に犯罪が発生した場所や不審者が出没する場所に注目するのは、犯罪者や不審者に注目することで場所に注目することとは異なります。人に注目する情報が紛れ込むと、正しい地域安全マップは作成できません。
入りやすい、見えにくいというキーワードで町を調査し、その結果を地域安全マップにまとめると、その場所を知らない大人や友達にも危険を知らせ、みんなが安全に暮らせるようになることを教えます。
地域安全マップづくりが安全で安心な暮らしにつながることを知って、子どもたちは責任感や使命感を感じるでしょう。
5人から7人でひとつの班を作ります。参加者が事前に決まっていれば、事前学習の前に班編成をしておきます。
ひとつの班には、ひとりの指導員が付きます。7人を超える班では、安全確保要員を配置します。安全確保要員は、子どもたちの安全に注意を払い、指導員をサポートします。
年齢の異なる子供たちで班をつくるときは、年齢の偏りができないように低学年から高学年までバランスよく配します。
班には、班長・副班長・地図係・写真係・インタビュー係という5つの役割があります。
・班長
班の代表者です。班のメンバーの行動をまとめます。フィールドワークでは先頭を歩きます。必要に応じてメンバーに指示をします。
・副班長
班長を補佐して、班員の作業をとりまとめます。フィールドワークでは最後尾を歩きます。
・地図係
地図を持ち、フィールドワーク中に気が付いた危険な場所、安全な場所を地図に記録して、記録メモを作ります。写真撮影した場所やインタビューを行った場所も地図に記録します。
・写真係
フィールドワーク中に気が付いた危険な場所、安全な場所をカメラで撮影します。写真を撮影した場所は、地図係に連絡して地図に記入してもらいます。
・インタビュー係
地域住民にインタビューを行います。犯罪に遭うかもしれないと不安を感じる場所を尋ね、回答を記録します。
班の人数が5名を超える場合には、地図係かインタビュー係の人数を増やします。同じ係で作業が分担できるようにすると混乱が起きません。
班のメンバーは、全員がどれかの係を担当します。人数が5名に満たない場合は、「副班長とインタビュー係」のように係を兼務させて調整します。
班編成では、どの役割も地域安全マップに欠かせないことや、力を合わせないとマップが完成しないことも教えます。
フィールドワークを始める前に、社会のルールやマナーを守ることも伝えておきます。とりわけプライバシーへの配慮については、班の全員が認識しておく必要があります。ルールやマナーから逸脱する時は、指導員が軌道修正をします。
地域住民へのインタビューを行うインタビュー係には、質問の仕方やお礼の述べ方などを指導しておきます。質問が適切でないと、回答も不適切なものになってしまうからです。